子どもと過ごしていると、
何度も何度も繰り返される
“見て見て攻撃”
「ママ、見て!見て!」
「ねえ、今の見てた?」
最初は微笑ましく見ていられても、
夕方になって疲れてくると
「今ちょっとご飯作ってるから…」
「さっきも聞いたけど?」
とイライラしてしまうママも
多いのではないでしょうか。
でも実はこの「ママ見て!」には、
子どもの健やかな心の発達に
欠かせない重要な意味
があるんです。
Imaged by こうまる
今回は、
アメリカの心理学の知見をもとに、
子どもの“承認欲求”と
“自己肯定感”について
やさしく解説しながら、
ママが疲れすぎない関わり方
をご紹介します。
目次
「ママ見て!」の背景にある心理とは?
子どもが繰り返す
「ママ見て!」は、
単なるかまってほしいアピール
ではありません。
その背景には、
「自分の存在を認めてほしい」
「成長を共有したい」
という深い欲求が隠れています。
アメリカの発達心理学では、
これは
「承認欲求(Need for Validation)」
と呼ばれ、
自己肯定感や自信の土台となるもの
だと考えられています。
特に2〜5歳の時期は、
自我が芽生え、
自分の行動に対して
誰かが反応してくれることが
重要になります。
たとえば、
-
高くジャンプできた!
→ 「ママに見てほしい!」 -
絵を描いた!
→ 「上手って言ってほしい!」 -
洋服を自分で着た!
→ 「気づいてもらいたい!」
というように、
「行動→注目→承認」
を何度も繰り返すことで、
「自分は大切な存在なんだ」
という感覚が心の中に育っていくのです。
愛着と自己肯定感の関係(アメリカ心理学より)
アメリカの心理学者
ジョン・ボウルビィと
メアリー・エインスワースは、
子どもの発達における
「愛着理論」を提唱しました。
これは、
「親からの一貫した反応と受け入れ」
があると、
子どもは
安心感と自己価値感を育てる
というものです。
Imaged by 五差路
つまり、
「ママが自分を見てくれている」
「大事にされている」
という感覚が、
そのまま
子どもの“自信の根っこ”になるんです。
この時期の関わりは、
将来の人間関係や、
挑戦する力、
自立心にも大きく影響します。
だからこそ、
「ママ見て!」
にどう応えるかが
とても重要になります。
「ちゃんと見てるよ」が伝わる3秒リアクション法
でも、
毎回しっかり向き合うのは
本当に大変ですよね。
ご飯の支度中、
上の子の宿題を見ながら、
下の子が引っ張るのが気になって…。
そんな時に使えるのが、
アメリカのペアレンティング講座でも
推奨される「3秒リアクション法」です。
▷ 方法はとてもシンプル
-
目を合わせる
-
名前を呼ぶか一言返す
(「すごいね!」
「ジャンプできたんだね!」) -
笑顔かうなずきで反応
たった3秒でOKなんです。
すべての行動に付き合わなくても、
「今、ママはちゃんと見てたよ」
というサインを送るだけで、
子どもの満足度はぐんと上がります。
重要なのは「完璧に関わる」
ことではなく、
“つながっている”感覚を共有すること。
Imaged by coji_coji_ac
過剰な対応で疲れないために大事なバランス感覚
「よし、じゃあ全部見てあげよう!」
と頑張りすぎてしまうと、
ママが疲れてしまいます。
アメリカの育児本でも
強調されているのは、
「母親が疲れ切ってしまっては
意味がない」ということ。
むしろ、
“自分の限界を伝えること”
も、子どもにとって大切な
学びになります。
たとえば、
こんなふうに伝えてみましょう。
-
「今はごはん作ってるから、
あとで見せてね」 -
「さっき見たから、
今はママも休憩させてね」 -
「3回ジャンプしたら、
教えてくれる?」
このように、
子どもの気持ちを受け止めつつ、
自分の都合も伝えることで、
子どもは
「他人にも気持ちがある」ことを
少しずつ学んでいきます。
また、
いつも“すぐに反応してくれるママ”
ではなくても、
「一貫した安心感」さえあれば、
子どもは満たされます。
Imaged by AN
とはいえ、
我が家でも2歳児相手は大変です。
「今ごはん作ってるから、
ちょっとだけ待ってくれる?」
と伝えても、全然聞かずに、
「抱っこー!」
「ここ(冷蔵庫)開けてー!」
と泣き叫ぶこともしばしば…。
そんな時は、
ご飯の時間が10分遅れてもいいか
くらいに考えて、
「ごはん作ってるけど、
ちょっとだけだっこしようねー」
「今、ママは忙しいけど、
○○くんの頼みならしかたないな!」
と相手をしてあげると、
子どもも泣き叫ぶのをやめて
私もごはん作りを再開できます。
まとめ:「ママ見て!」は“心の成長サイン”
「ママ見て!」
を連発されると、
忙しいママにとっては
負担に感じることもあります。
でもそれは、子どもが
「あなたとの絆を確認している」
「自分の存在を大事にしてほしい」
というサイン。
アメリカの心理学が教えてくれるのは、
“注目されることで育つ自己肯定感”
の重要性です。
そしてそれは、
1日中がんばって向き合わなくても、
たった3秒のリアクションでも伝えられる
ということ。
ぜひ今日から、
「忙しいけど、
あなたのことちゃんと見てるよ」
そんな気持ちを込めた3秒リアクション、
試してみてくださいね。
ママも子どもも、
ちょっとだけ心が軽くなるはずです。