急いでいるとき限って、
機嫌が悪くなるわが子…。
「なんで言っても分からないの?」
「さっきまで笑ってたのに、
急に大泣き…」
「どうしてこんなにイヤイヤするの?」
2〜5歳の子育てって、
毎日が感情のジェットコースター。
しかも、
言葉は話せるようになってきているのに、
まだまだ理屈は通じない…。
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そんな毎日で疲れ切っているママに、
まず知ってほしいことがあります。
それは、
「子どもは今、
発達の途中にいるだけ」
ということ。
アメリカの発達心理学では、
子どもの行動を“問題行動”ではなく、
“発達途中の表現”と捉えます。
今回は、
アメリカの心理学の知見をもとに、
2〜5歳の子どもの発達について
わかりやすく解説します。
目次
1. 「イヤイヤ」の正体は、自我の芽生え(2〜3歳)
アメリカの心理学者
エリク・エリクソンは、
人生を8つの発達段階に分けました。
2〜3歳の時期は
「自律性 vs 恥・疑念」の段階。
これは、
「自分でやりたい!」
という気持ちが芽生える時期。
でも、
うまくいかないとすぐに
不安や恥ずかしさを感じてしまう…
そんな“はざま”の時期です。
だからこそ、
-
「自分で!
と言っておきながら泣き出す」 -
「なんでもイヤ!と反応する」
こんな行動が多発します。
アメリカの子育て本ではこの時期を
「Autonomy phase(自律の時期)」
と呼び、
親が“できるだけ本人に選ばせる”ことを
推奨しています。
たとえば:
-
「靴は赤と青、どっちにする?」
(選択肢をあげて自律性を促す) -
「やりたい気持ちは分かるよ。
でも困っちゃうな」
(感情を肯定しつつ、境界を示す)
この声かけが、
「イヤイヤ」から「自分でできた!」
への第一歩になります。
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2. 感情のコントロールはまだまだ未熟(3〜4歳)
3~4歳のこの時期、
「全然泣き止まない」
「なんでこんなに感情が爆発するの?」
それ、
実は脳の成長途中だからなんです。
アメリカの神経心理学では、
3〜4歳は
「前頭前野
(感情と行動のコントロールを
担う部分)」
がまだ十分に発達していない
とされます。
つまり、
“自分で感情を整理する力がない”
ということ。
この時期に大切なのは、
「感情は悪いものじゃない」
と子どもに伝えること。
アメリカの育児心理学では、
「感情コーチング
(Emotion Coaching)」
という考え方があり、
親が子どもの感情を
“名前をつけて、受け止めてあげる”
ことが有効とされています。
たとえば:
-
「悔しかったんだね」
-
「悲しいって感じてるんだね」
-
「うれしいけど、
ちょっと恥ずかしかったんだね」
こうした言葉を繰り返すことで、
子どもは
自分の気持ちを理解し、
表現する力
を少しずつ身につけていきます。
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3. 「ごっこ遊び」は社会性のはじまり(4〜5歳)
4〜5歳になると、
「まねっこ」「お店屋さんごっこ」
「ヒーローごっこ」など、
想像力を使った遊びが増えてきます。
これは、
アメリカの発達心理学者
ヴィゴツキーが提唱した
「社会的発達の基礎」
が育ち始めている証拠。
“他人の視点を想像する力”
=社会性の芽生え
が始まっているのです。
この時期は、
遊びを通して
「順番」「ルール」
「役割交代」なども学びます。
つまり、
遊びこそが「人間関係の練習」
なんです。
アメリカでは、
Preschool
(3〜5歳向けの幼児教育)で
“遊び中心の学び”が主流です。
詰め込みではなく、
「遊びながら学ぶ」ことが
重要視されているんですね。
ママとしては、
「ただ遊んでるだけ」に見えても、
実は子どもは
ものすごく成長している最中。
だからこそ、
「ごっこ遊び」に
ちょっと付き合ってあげること
が、心の発達を大きく支えるのです。
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4. ママにできる3つのポイント
子どもの発達を知ったうえで、
ママができることは
難しいことではありません。
アメリカ式の子育て理論と、
日本の“思いやり文化”を
掛け合わせた3つのヒントをご紹介します。
✔ 感情を「ダメ」と言わない
「そんなに怒らないの!」
ではなく、
「怒ってるんだね」
とまず認める。
感情の受容こそ、
子どもの心の安全基地になります。
「泣いてばかりじゃ分からない!」
ではなく、
「悲しかったんだね。」
と声をかけてあげてください。
✔ 「選ばせる」ことで自律心を育てる
“命令”より“選択肢”。
たとえば
「お風呂先に入る?
それとも歯みがき先?」
など、
自分で選ぶ経験が
心の自信につながります。
洋服なども、
「青と赤どっちがいい?」
と、二択にして聞くと
子どもも答えやすくなります。
✔ 自分も「発達途中のママ」でOK
ママだって、
子どもと一緒に成長中。
すべて完璧じゃなくていい。
「昨日よりちょっとラクだった」
で十分。
一日の間で、
怒る回数が1回でも減ったら、
少し成長した!
と喜んでもいいと思います。
Imaged by こうまる
まとめ:子どもの“困った行動”は、脳と心の成長サイン
2〜5歳の子どもは、
まだ感情も言葉も脳も
“未完成”な状態。
だからこそ、
「うまくできない」
のは当たり前。
アメリカの発達心理学が
教えてくれるのは、
「子ども時は、今しかいない」
という当たり前のようで
忘れがちな真実です。
困った行動も、
感情の爆発も、
すべては「今この瞬間」
にしか見られない成長の証。
「うちの子、
これも発達途中なんだな」
そう思えるだけで、
少し気持ちがラクになるはずです。
「正しいしつけ」よりも、
「深い理解」から始める子育て。
それが、
“イライラしない育児”の第一歩
かもしれません。